canonical(正規URL)とは?重複ページを防ぐ超基礎
canonicalの役割を理解し、いつ使うか・いつ使わないかを判断できるようにすること。重複やほぼ重複ページで検索評価を一つに集約し、無駄なインデックスや内部競合を避けるための実務ポイント、CMSでの運用手順、確認方法、よくある落とし穴までをまとめます。
canonical(正規URL)とは?
検索エンジンに「同じ(または非常に似た)内容が複数URLにある場合、評価をこのURLに集約してほしい」と伝えるための指定。検索エンジンは強い“指示”ではなく“ヒント”として扱います。ページの内容、内部リンク、サイトマップなどの他シグナルと矛盾すると無視されることがあります。
なぜ重要か(SEOの観点)
- 重複コンテンツによる評価の分散を防ぐ
- クロールの無駄打ちを減らし、重要ページの発見・再クロールを早める
- インデックスの一貫性を保ち、検索結果での意図しないURL表示を防ぐ
使うべきケース(代表例)
次のように中身は同等だがURLだけが違う状況で有効です。
- 追跡パラメータ付きURL
例: /page?utm_source=… や /page?ref=… は正規URLを /page に集約 - www と非www、http と https の並立
サイトの標準を決め、正規URLは標準側に合わせる(https推奨) - 末尾スラッシュや index.html のぶら下がり
/page と /page/、/page/index.html が同内容ならどれか一つに統一 - 印刷用ページや表示オプション違い
print版、ソート順だけ違う一覧などは本体へ集約 - 商品のカラーバリエーションが別URL
内容がほぼ同じで差が小さい場合、代表バリエーションに集約(在庫や仕様が大きく異なるなら別ページとして運用を検討)
注記: 言語や地域が異なるページは別物です。言語別の正規化ではなく、各ページを自分自身に正規化し、必要に応じて hreflang を併用します。
使うべきでない、または注意が必要なケース
- 内容が明確に異なる
比較記事と解説記事、機能が違う商品詳細などは別ページとして成立させる - ページネーション(一覧の1,2,3…)
各ページを自分自身に正規化するのが基本。全ページを1ページ目へ正規化は避ける - フィルタや並び替えで結果が大きく変わる
正規化よりも noindex や内部リンク抑制での管理を検討(重複度合いにより判断) - 統合・廃止ページ
正規化ではなく301リダイレクトで恒久的に統合する方が確実 - AMPやPDFなど別フォーマット
別目的の資産。むやみに他形式へ正規化しない(各形式の推奨設定に従う)
canonical・リダイレクト・noindex の使い分け
| 目的 | 適切な手段 | 使う場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 評価を一つに集約し、どのURLが表示されてもOK | canonical | 追跡パラメータ、印刷用、軽微な重複 | ヒント扱い。他シグナルと整合させる |
| URL自体を統一し、古いURLを使わせない | 301リダイレクト | 常時https化、URL設計変更、統合 | ユーザーも検索エンジンも新URLへ移行 |
| インデックスさせない | noindex | ファセット検索、管理画面、テストページ | 内部リンクやサイトマップからも極力排除 |
併用例: 自己正規化(自分自身を正規URLに)+ noindex でクロールは許すがインデックスさせない、など。
実装の流れ(CMS中心、ノーコード前提)
- 正規URLの基準を決める
https、非www/www、末尾スラッシュの有無をサイト全体で統一。ナビや内部リンクも基準に合わせる。 - 自己正規化をデフォルトに
すべての公開ページが自分自身を正規URLとして宣言する状態を標準にする。 - 例外ページにだけ別の正規URLを設定
印刷用やパラメータ付きのランディングなど、本体に集約したいページで上書き設定。 - サイトマップと整合を取る
サイトマップには必ず正規URLだけを登録。重複URLは入れない。 - 内部リンクとパンくずを正規URLへ統一
テンプレートや自動生成リンクの出力先を確認・修正。 - 301の併用
明確に不要な重複URL(httpや非wwwなど)は301で強制統一。正規化だけに頼らない。
プラットフォーム仕様は変更される可能性があります。実装前後に各CMSや検索エンジンの最新ヘルプを確認してください。
確認方法(正規化が効いているか)
- 検索コンソールのURL検査
対象URLを検査し、「ユーザーが宣言した正規URL」と「Google が選択した正規URL」を確認。意図とずれていれば、内部リンクやサイトマップ、重複側の設定を見直す。 - 重複URLの挙動チェック
追跡パラメータ付きやwww違いでアクセスし、検索コンソールでどのURLが選択されているかを比較。 - サイトマップの監査
重複URLが混入していないか、ステージング環境のURLが入っていないかを定期的に点検。 - 検索結果の表示URL
同じクエリで複数URLが交互に出ていないかを目視。ぶれが続く場合はシグナル不一致の可能性。
落とし穴と対処
- canonicalチェーン
AがBに、BがCに…のように連鎖させない。常に最終URLを指すようにする。 - 相互canonical
AがBへ、BがAへはNG。どちらか片方に統一。 - 複数宣言の競合
HTMLとHTTPヘッダー、構造化データなどで異なる正規URLを出さない。出力は一箇所にまとめ、必ず一致させる。 - サイトマップ・内部リンクと矛盾
正規URL以外へ内部リンクしていると無視されやすい。テンプレートとナビを修正。 - 大きく異なる内容を強引に集約
検索エンジンに無視される典型。似ている度合いが低いなら統合ではなく別ページとして成立させる、または301で統合を検討。
よくある質問(FAQ)
- クロスドメインの正規化は可能か
可能。転載やミラー、パートナー掲載などで元記事に評価を集約したいときに使う。ただし両サイトで内部リンクやサイトマップの整合を取り、ミラー側の内部リンクを元記事へ向けると通りやすい。 - UTM付きURLはどうするか
自己正規化を維持し、内部リンクには基準URL(UTMなし)だけを使う。共有時も極力基準URLを配る。 - 正規化とnoindexを同時に使ってよいか
使えるが、シグナルが複雑になると無視されやすい。基本は自己正規化、必要に応じてnoindexを付与し、内部リンクは控えめに。 - ページネーションはどう扱うか
各ページを自己正規化。カテゴリーの代表解説ページを別途用意し、内部リンクでまとめると意図が伝わりやすい。
運用チェックリスト
- サイト全体の基準(https、wwwの有無、末尾スラッシュ)を決定・統一した
- すべての公開ページが自己正規化されている
- 例外ページのみ、適切なページへ正規化している
- サイトマップには正規URLだけが載っている
- 内部リンクとパンくずは正規URLを指している
- 301で統一すべきURLはリダイレクト済み
- URL検査で「Google が選択した正規URL」と一致している
- チェーンや相互canonicalが存在しない
- 追跡パラメータや印刷用ページで評価が分散していない
まとめ
canonicalは魔法のスイッチではなく、サイト全体の整合が取れていて初めて効く“ヒント”です。自己正規化を標準に、例外のみ本体へ集約。サイトマップ、内部リンク、リダイレクトと矛盾させない。これだけで重複による評価分散が減り、重要ページに検索評価を集めやすくなります。まずは基準の決定と自己正規化の徹底、次に例外洗い出しとサイトマップ修正から着手しましょう。
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