広告の運用手数料がパーセント設定の場合のデメリット

広告代理店の運用手数料を「広告費の○○%」と設定するケースは一般的ですが、このパーセント型手数料には、クライアントにとって思わぬデメリットが潜んでいます。特に広告運用がうまくいって成果が出ている場合にもリスクが生じやすく、結果として無駄なコスト負担が増える可能性があります。本記事では、パーセント手数料設定の問題点と、その代わりに「定額手数料」が適している理由について解説します。


広告手数料がパーセント設定の場合の主なデメリット

1. 代理店が広告費を増やすインセンティブを持つ

パーセント手数料の場合、代理店の収益は広告費に依存しているため、広告費そのものを増やすインセンティブが生じやすくなります。クライアントの求める費用対効果(ROI)よりも、代理店が広告費の増加を優先してしまう可能性があるのです。その結果、高額なクリック単価のキーワードを多用したり、広告費が多くかかるチャネルに偏った配分を行ったりすることで、広告費が必要以上に増え、代理店の利益が優先されるリスクがあります。

2. 成果が出ても手数料が増え続けるリスク

パーセント設定の手数料の問題点は、広告のパフォーマンスが向上し、成果が出ている場合にも発生します。一般的に広告が効果を上げている場合、さらに成果を拡大するために広告費を増やすケースが多く見られます。広告費を増やすことで、クリック数やコンバージョン数の向上が見込める一方で、手数料も増加するため、クライアントのコストが増えていきます。成果が出るほど手数料も比例して高くなるため、長期的に見てコスト負担が重くなっていくリスクがあるのです。

また、成果が順調に出ている場合、クライアントが代理店を乗り換える際のリスクも高くなります。多くのクライアントが「今の代理店の施策で成果が出ているため、手数料が高くても離れにくい」と感じやすく、結果的に高い手数料を払い続けざるを得なくなるケースも少なくありません。こうした状況に陥ると、たとえ高額の手数料が負担になっても、代理店を変更しづらいという問題が生じます。

3. パフォーマンス改善の意欲が低下する可能性

パーセント手数料では、代理店が運用効率を上げて広告費を削減するような施策に取り組むと、代理店の手数料収益も減少することになります。そのため、広告費を抑えつつパフォーマンスを向上させることよりも、安定的に広告費が消費されるような運用に意識が向きがちです。こうした手数料体系では、代理店がクライアントの利益を第一に考えた改善を行いづらく、広告運用の最適化が進みにくい構造になってしまいます。


「定額手数料」がおすすめの理由

広告運用のコストパフォーマンスを最適化し、クライアントが無駄なコストを避けるためには、「定額手数料」設定が効果的です。以下にその利点について説明します。

1. 毎月の運用コストが明確で予算管理がしやすい

定額手数料にすると、月ごとの広告費にかかわらず、毎月一定の手数料が発生するため、コストの見通しが立てやすくなります。広告費の増減によって手数料が変動しないため、クライアントは広告予算を柔軟に設定でき、代理店も費用対効果を最大化することに集中できます。また、定額手数料なら追加の広告費用を検討する際も予算管理がシンプルになり、無駄なコストが発生しにくくなるのが大きなメリットです。

2. 代理店がパフォーマンス改善に集中しやすくなる

定額手数料にすることで、代理店の利益が広告費の増減に影響されないため、代理店がクライアントの利益を優先して運用に集中しやすくなります。広告費が上がっても手数料が増えないため、代理店は広告費を増やす施策よりも、費用対効果を重視した運用に取り組むインセンティブが働きます。たとえば、コスト効率の高い広告チャネルやターゲットを選ぶ施策に注力しやすく、結果的にクライアントにとって利益を最大化する広告運用が期待できます。

3. 広告費の変動に影響されず、安定した関係を築きやすい

定額手数料では、広告費の増減に関わらず同じ金額を支払うため、毎月のコストを安定させやすく、代理店との関係もシンプルで透明になります。広告費が多い月や少ない月があってもコストが一定であるため、クライアントは柔軟に予算を調整でき、代理店も長期的な視点で最適化を進めることが可能です。こうした安定した関係は、クライアントと代理店の信頼を深め、効果的な広告運用を実現するための基盤になります。


まとめ:定額手数料でコストパフォーマンスの高い広告運用を目指す

広告代理店の運用手数料がパーセント設定である場合、広告費の増加に伴って手数料が増えやすく、成果が出ていても高額な手数料から抜け出せなくなるリスクがあります。広告費が増減してもコストが一定の「定額手数料」にすることで、代理店も費用対効果の向上に集中でき、クライアントも予算管理がしやすくなります。透明で効率的な広告運用を実現するためには、定額手数料を積極的に検討するのが賢明な選択といえるでしょう。

執筆者プロフィール

tsuru

ボボコンサルティング株式会社にて、広告の運用や営業を担当しています。 商品やサービスによって最適な戦略は異なるため、クライアント様の商品やサービスをしっかり理解することを大切にしております。 このブログでは、弊社の「コスパ広告くん」を知っていただくきっかけとして、WEBマーケティングに関連する記事を更新しております。